<< 2009年06月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930

ポッポの本質(中)

2009/06/15 02:16

 


☆ ポッポの本質(中) ――――――――――――――― 紋起さん

この12日に、ポッポは更迭されたのですが、それで終わるかといえば終わら
ないでしょうね。西川社長の続投は決まりかもしれませんが、類似のことはま
た起きるに違いないだろうと思っています。

ーーー将来起きたときのためにも、読んでみて下さい。

さて、日本郵政かんぽの宿を安く売ったという指摘を、前総務相は常にして
いたが本当だろうか。ーーー前報の通り、オリックスへは「事業譲渡」である
ことを思い出して頂きたい。

事業譲渡とは、旅館業だから土地建物設備と従業員と経営システムとを引き継
いで、引き続き旅館業を継続してくれる条件で入札することになる。だから、

土地建物設備がどれだけの価値があるかではなく、事業がどれだけの利益をだ
せるものかが譲渡入札の価格となる。

なぜ事業譲渡になるのか、それは雇用を保証する必要があるからで、国会決議
でそう決められている。ーーー野党、並びに自公の郵政民営化反対派が付けた
条件である。

事業譲渡の価格と不動産の価格の関係を考えると、

土地建物設備を用いて、従業員が働いてかんぽの宿の旅館業が行われていたが
赤字であったのだから、土地建物設備と従業員に支出された金額が利用者から
回収されていない訳である。

雇用を保証しろ、と国会決議をしているのだから、事業継続後直ちに従業員の
給与を下げるわけにもいかないとすれば、不動産価格は大幅に下げて購入しな
くては、引継いだ業者は継続すらできない。

ーーー典型的な例が、バブルの時代に創業した宮崎のシーガイアである。

創業運営をしていた第三セクターが、累積債務3千億円超(投資額2千億円)で
破産して、リップルウッドが162億円で買った。ーーーあの、ハゲタカとし
て有名なリップルウッドに売ったのである。

ーーーそして、事業継承して6年後の2007年に、やっと単年度営業黒字=
創業以来初)を出している。創業時、大人4200円の入場料を2000円に
まで下げて顧客を確保し、黒字転換となったらしい。

ーーーしかし、現在はまた苦しいのだ。なぜなら、韓国台湾から、大不況の
せいでお客さんが来ないからである――――。

リップルウッドに、わずか設備投資の8%の額で安く払い下げたと非難する人
がいるとしたら、その人が買えば良いのだ。2001年に買収以来、リップル
ウッドは75億の設備投資をし、累損70~80億円を抱えていまだ悪戦苦闘
している。

非難されるべきは、安く買ったリップルウッドではなく、出鱈目な採算計画を
策定した連中と、それを承認した連中である。彼らはどんな責任を取ったので
あろうか、ーーー特に官僚と政治家の責任が見えない。

総務省は、独自の調査でかんぽの宿の不動産鑑定が240億だとか250億だ
と算出し、それを基にして前総務相は、日本郵政が安くオリックスに売却しよ
うとしていると言っていた。

そもそも、不動産鑑定金額と事業継承の金額を比べること自体がおかしいこと
なのである。しかも、その金額の根拠は、

4月7日の新聞報道では、「譲渡予定70施設のうち『黒字』の21施設を選
び収益見込みなどを計算し直したら、日本郵政の譲渡予定額89億円を大幅に
上回った」としている。

しかし、黒字の施設のみを対象としたうえに、ーーー従業員の雇用を継続する
条件は付けていないという。

不動産鑑定なのか事業譲渡見積もりなのか、よく分からない表現になっている
が、少なくともオリックスへの譲渡と異なる条件で算定して、日本郵政が低く
売り渡そうとしていたという偽りを述べていたと思われる。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090407AT3S0700907042009.html

そして、その4月7日の総務省独自調査をベースに、総務省で全施設の不動産
鑑定をしたら250億になったというのである。ーーー不動産鑑定というとこ
ろに注意して欲しい。
http://www.asahi.com/politics/update/0407/TKY200904070069.html

ーーー簡単に事業の採算計算をしてみよう。

かんぽの宿の年間顧客数は200万人だと言われている。

一人平均1.5泊で1万5千円支払ったとして、年間売上300億円である。

一方、報道2001で、かんぽの宿の譲渡入札に参加した大江戸温泉物語(株)
の元会長橋本浩氏が述べているように、5000人の雇用保証をするだけで、
年間300億円かかるそうだ。

----そりゃー、身分は公務員並みですから、社会保険費などを加えるとそうな
るのでしょうね。ただ、従業員数については3200人とする人が多い。比例
的に計算すると192億円となる。
http://www.youtube.com/watch?v=aMcSvh42_SA

ーーー雇用保証が如何に大きな負担であるかが分かる。1泊1人1万円を貰っ
ても----今時1泊1万円は高い----300億円の人件費に全て消えてしまい、
食材費、洗濯費、光熱費、等々は赤字になる。

----人件費が192億円でも、売上から人件費を引くと100億円しか残らな
い。だから、改善していても、年間40~50億の赤字が実績であるのは不思
議なことではない。

「不動産鑑定」と「事業譲渡」と「投資総額」は全て異なるものであるが、

意図的に混同し国民を欺いているのか、理解できないから同じように取り扱っ
ているのか分からないのだが、250億円=不動産鑑定)が、109億円=事
業譲渡)よりはるかに高い、そして、

2400億円=投資総額)もかけたものを、そんなはした金で売るのかと国民
の無知をベースに主張するのである。ーーーどこに正当性があるのだろうか。

一般に流布されている業界の話などでは、オリックスは白紙になって良かった
ね、大損から免れたね、という結論である。ジャーナリストの菊池雅志氏の話
では↓こうだ。
http://kikuchi-blogger.blogspot.com/2009/02/blog-post.html

それが証拠には、これだけの騒ぎになっているのに、当社が買いますと名乗り
を上げる企業など1社もない。それは、温泉宿にしては辺鄙な所に建てすぎて
いるからであり、魅力的な施設になってないからである。

なぜそのようなことになったのかといえば、政治家と土建業者が結託し、土地
成金を生み出し、造成・建築請負で業者が儲け、そのお礼を政治家が献金の形
で受取り、それに郵政官僚が加わり、天下り先として甘い汁を吸ってきた構造
に違いない。

そしてこの追求は、マスコミも含めて誰もしない。ーーーアホな野党は、共同
で西川社長を告訴したが、これこそ、政治家、土建業者、郵政官僚に火が及ぶ
のを避ける目くらましだろう――――。

前総務相は、かんぽの宿は利用者へのサービスで、安い料金でやっているから
赤字になるのは当たり前だという意味のことを述べている。この人には、健保
組合が剰余金で作る保養所と、かんぽの宿の区別がつかないのである。

ビジネスでやるかんぽの宿は、もし簡易保険の利益の契約者への還元であるの
なら、契約者全員に還付する方法を選ばねばおかしい。もし拡売、即ち、新た
な契約者確保の為の費用なら、50億の赤字が生み出した新規契約数が採算に
乗るのか、毎年検証することが必要である。

この男の頭の悪さは、そういうビジネスにかんぽの宿が役に立っていたかとい
う視点すらなく、保養所と同じ剰余金の還元で良いと思っていることである。

「契約者へのサービスだからどこが悪い」という発想である。それなら、同じ
ビジネスモデルで自営の旅館をやっている保険会社を挙げてご覧と言いたい。

前総務相の、現在の郵政に関する役割とは何かといえば、

民営化した郵政が立派な企業になるためのサポートのはずである。特に必要な
のは、郵貯銀行、かんぽ生命のビジネスモデルの確立であって、そのためには
センスの良い銀行出身者のノウハウ供与がなくてはならないはずである。

しかしこの男は、そのような支援ではなく、自分が検察官と司法とを兼任した
ような告発と裁定とを行い、社長を交代させようとしているのである。

ーーー人物は知らねども、銀行業務では優秀な人であることは間違いない。

何のためか、官僚並びに既得権益者への既得権擁護のためだけである。

ーーーこの男の言うことを聞いていたら、国民の利益にならない。

どこかで紹介されていたが、公益とは公務員の利益でしょう、と役人はのうの
うと言ったそうである。ーーーそれをポッポは守ろうとしていただけなのだ。



カテゴリ: 世界から  > アジア・太平洋    フォルダ: 硬派的題目

コメント(7)  |  トラックバック(0)

 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://chinachips.iza.ne.jp/blog/trackback/1084227

コメント(7)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2009/06/15 10:00

Commented by AW さん

> 非難されるべきは、安く買ったリップルウッドではなく、出鱈目な採算計画を策定した連中と、それを承認した連中である。彼らはどんな責任を取ったのであろうか、ーーー特に官僚と政治家の責任が見えない。

これが原因の一つ。

政治家には道義的責任を含めて責任を取らせるべき。
公務員には過去の失敗の責任を30年後でも取らせるべき。

地方分権、政権交代すれば問題が直る、と安直な考えの人が多いのは嘆かわしい。

 
 

2009/06/15 23:21

Commented by 大陸流浪人 さん

政治とは、過去からどこの世界でも金儲けの一手段である。

OJINN・・・割り切って考えよう。政治家とは虚業家なり。実業家の感覚では接点はない。

はははは

 
 

2009/06/22 08:26

Commented by 老玩童 OJIN さん

To AWさん
┌──────────「紋起さんから」

その通りだと思います。地方分権にしようが、現在のやり方であろうが、官僚の責任を追及できないという現在の法律はおかしいと思います。

世の中全体に、民主党になれば官僚をコントロールできるような話が流布されていますが、不可能でしょうね。

私は、役人の終身雇用制度をなくさない限り、国民より仲間=組織でもあります)を守る流れは変わらないと思っています。

 
 

2009/06/22 08:27

Commented by 老玩童 OJIN さん

To 大陸流浪人さん
┌──────────「紋起さんから」

申し訳ないですが、私はそのご意見には賛同できません。

私腹を肥やすために政治家をやられたのではたまりません。もしそうなら、年1億円払ってでも、政治で私腹を肥やさない人を選びたいと思います。政治家が金儲けなら、ーーー株でインサイダー取引を認めているようなものだと思います。

 
 

2009/06/22 15:52

Commented by leny さん

老玩童 OJIN さん のオリジナルエントリーかと思ったけど、紋起さんなのねw

今回の郵政の動きは「社会主義礼賛者」の復古運動みたいなもんだと思っています。左側の社会主義だけでなく、右側の「国家社会主義=官僚主導政治」を含めた。

だから、根は深いと思いますよ。日本人のメンタリティには、明治以降の「社会主義=官僚依存型」の精神構造が大きく残っていますからね。ここが日本のターニングポイントになる気がしています。

 
 

2009/06/22 16:36

Commented by 老玩童 OJIN さん

To lenyさん
>老玩童 OJIN さん のオリジナルエントリーかと思ったけど、紋起さんなのねw
----------
そうです。けどご遠慮なくコメントをお願いいたします。

多少遅れませけど、必ずご返事はいたします。

 
 

2009/06/29 11:55

Commented by 老玩童 OJIN さん

To lenyさん
┌──────────「紋起さんから」

鋭いご指摘ありがとうございます。私も同意でございます。

官僚主導政治が嫌だから自民から離れているのに、結局ポッポについていくのは、官僚政治なのですよね。それが見えてないのでしょう。ポッポについていくと脱官僚政治=官民癒着構造の修復)のつもりなのでしょうが、全くの逆なんです。

これが分かると、絶望してファシズムに走りかねません。時あたかも民主党が政権を取りそうですが、やらしてみたら出鱈目であることがすぐ分かるでしょうし、ここでも絶望しますから、危ういのです。

ターニングポイントだとのご指摘も同意でございます。

 
 
トラックバック(0)